売上だけでは見えない会社の成長。経営者が11月に確認したい3つのこと
月曜ブログは、40~50代の経営者層向けの相談事例を中心に、実際の経営判断や人材活用、事業の方向性を考えるうえで、ご自身のビジネスの一助となる視点をお届けします。
11月に入り、今年も残すところあと2か月。
そろそろ来年の事業計画や売上目標を考え始める経営者の方も多いのではないでしょうか。
ところで、こんなことはありませんか?
「今年も忙しかったけれど、何が変わったんだろう?」
「売上は悪くない。でも、会社が成長している実感がない」
「来年こそは、もっと余裕を持って経営したい」
毎日、目の前の仕事に追われていると、一年は本当にあっという間です。
今回は、そんな経営者の皆様に向けて、来年の目標を立てる前に、少しだけ今年を振り返ってみるというお話です。
「売上は伸びたのに、なぜか疲れているんです」
例えば、こんなご相談があったとします。
50代の経営者Aさん。従業員10名ほどの会社を経営しています。
今年は新規取引先も増え、売上も前年を上回る見込み。
数字だけを見れば、まずまずの一年です。
ところが、ご本人はどこか浮かない表情。
「仕事は増えたんですけどね。結局、自分が一番忙しくなってしまって」
「社員も頑張ってくれています。でも、このまま来年も同じことを続けていいのか……」
経営者として、会社を成長させたい気持ちは当然あります。
しかし、売上が増えることと、経営が楽になることは必ずしも同じではありません。
むしろ、仕事が増えたことで社長の負担が大きくなり、判断や管理に追われてしまうケースもあります。
そんなとき、最初に考えたいのは「来年、何を増やすか」ではありません。
今年、何が会社の力になったのか。
そこを整理することから始めてみましょう。
① 売上よりも「残ったもの」に注目する
一年を振り返るとき、売上や利益などの数字は大切な判断材料です。
ただ、それだけでは会社の変化を十分に把握できません。
例えば、
- 新しい取引先との信頼関係ができた
- 社員が一人で担当できる仕事が増えた
- 業務の無駄を減らせた
- お客様からの紹介が増えた
- 社長が現場を離れられる時間が少し増えた
こうした変化も、会社にとって大切な成果です。
反対に、売上が増えていても、利益率が下がっていたり、社長の労働時間が大幅に増えていたりする場合は、経営の仕組みを見直す必要があるかもしれません。
「どれだけ売れたか」だけでなく、「何が会社に残ったか」。
この視点を持つことで、来年に向けた課題が見えやすくなります。
② 「頑張ったこと」と「成果が出たこと」を分ける
経営者は、日々たくさんの判断をしています。
新しい企画を考えたり、営業に出かけたり、社員の相談に乗ったり。
どれも大切な仕事です。
しかし、時間と労力をかけたことが、必ずしも成果につながるとは限りません。
そこでおすすめしたいのが、今年取り組んだ仕事を次の3つに分ける方法です。
A:成果が出たこと
利益につながった仕事、顧客満足度が高かったサービス、社員の成長につながった取り組みなど。
B:頑張ったけれど成果が見えにくかったこと
時間をかけた割に利益が少なかった仕事、反応の薄かった販促活動など。
C:来年は見直したいこと
社長に仕事が集中する仕組み、慣習的に続けている会議、負担の大きい業務など。
例えば、ある事業に多くの時間を費やしていたとしても、実際には別の小さなサービスの方が利益率も顧客満足度も高いかもしれません。
こうした事実を整理すると、来年の経営判断が変わってきます。
③ 来年の目標は「増やす」より「整える」
年末が近づくと、つい来年の目標を大きく設定したくなるものです。
売上120%、新規顧客の獲得、新サービスの開始……。
もちろん、成長を目指すことは大切です。
しかし、すべてを同時に進めようとすると、社員も経営者も疲れてしまいます。
そこで、一度こんな質問をしてみてください。
「来年、会社を少し楽にするために、何を変えたいだろう?」
例えば、
- 社長しかできない仕事を一つ減らす
- 利益率の低い業務を見直す
- 社員が判断できる範囲を広げる
- 既存のお客様への対応を充実させる
大きな改革でなくても構いません。
来年の経営を安定させるために、まず一つだけ改善する。
そんな目標の立て方も、十分に価値があります。
年末までにできる「30分の経営振り返り」
忙しい経営者の方に、ぜひ試していただきたい方法があります。
それは、30分だけ時間を確保して、次の3つを書き出すことです。
最初の10分:今年、うまくいったこと
数字だけでなく、社員やお客様との関係、仕事の進め方なども含めます。
次の10分:今年、負担になったこと
社長自身の時間、利益の出にくい仕事、組織の課題などを整理します。
最後の10分:来年、最初に変えたいこと
改善したいことを一つ選び、誰が、いつまでに、何をするのかを決めます。
例えば「社長への確認業務を減らす」であれば、11月中に確認事項を洗い出し、12月から一部の判断を担当者に任せる、といった具体的な行動に落とし込みます。
大切なのは、考えただけで終わらせないことです。
来年の経営は、今年の振り返りから始まる
経営者は、どうしても未来に目を向けがちです。
次の売上、次の事業、次の課題。
けれども、ときには少し立ち止まって、ここまで歩んできた道を振り返ることも必要です。
今年できたことを認め、うまくいかなかったことを整理する。
そして、来年に持ち越さなくてもよい負担を減らしていく。
それは決して後ろ向きな作業ではありません。
むしろ、これからの経営をより良くするための、前向きな意思決定です。
11月は、年末の慌ただしさが本格化する前の貴重な時期。
少しだけ時間をつくって、今年の経営を振り返ってみてはいかがでしょうか。
よくあるご質問(Q&A)
Q1.経営の振り返りは、何から始めればよいですか?
A.まずは売上・利益・経費などの数字を確認し、今年うまくいったことと課題をそれぞれ3つずつ書き出してみましょう。
数字と実際の業務状況を照らし合わせることで、改善すべき点が見つかりやすくなります。
Q2.来年の目標がなかなか決まりません。どうすればよいでしょうか?
A.最初から大きな目標を設定する必要はありません。
今年の成果と課題を整理したうえで、最も優先度の高い改善項目を一つ選びましょう。
その際、期待できる効果と実行に必要な負担を比較することも大切です。
Q3.経営課題が多すぎて、優先順位を決められません。
A.課題を「緊急性」「経営への影響」「実行のしやすさ」の3つの視点から整理してみましょう。
経営者一人で判断が難しい場合は、第三者との対話によって考えを整理する方法もあります。
経営の振り返りから、来年の未来設計へ
「今年の経営を一度整理したい」
「来年の事業方針を考えたいけれど、何から手をつければよいか分からない」
「売上だけでなく、働き方や組織のあり方も見直したい」
そんな経営者様には、経営未来設計セッションをご案内しています。
現状の経営課題を整理し、事業の方向性、人材活用、意思決定の優先順位などを一緒に考えていきます。
経営の実務的な視点を基本に、必要に応じて東洋の智慧や九星気学の考え方も補助的に取り入れながら、経営者様ご自身が納得して次の一歩を選べるようサポートいたします。
愛知県小牧市・名古屋市および周辺地域では対面セッション、全国のお客様にはオンラインでのご相談にも対応しています。
また、仕事だけでなく、ご自身のこれからの生き方や働き方について考えたい方には、個人向けライフデザインセッションもご用意しています。
年末を迎える前に、来年の経営とご自身の未来について、少しだけ考える時間をつくってみませんか。
ご相談・各種セッションのご案内
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