忙しい経営者が、今のうちに整えておきたい3つのこと
月曜ブログは、40~50代の経営者層向けの相談事例を中心に、実際の経営判断や人材活用、事業の方向性を考えるうえで、ご自身のビジネスの一助となる視点をお届けします。
朝晩の空気が少しずつ冷たくなり、今年も残りの予定が見え始める頃になりました。
経営者の皆様にとって秋は、日々の業務を進めながら、年末の繁忙期、資金繰り、社員の予定、取引先への挨拶、来年の計画まで気になり始める時期ではないでしょうか。
「まだ10月だから大丈夫」と思っていたはずが、気づけば12月。やり残したことを抱えたまま、慌ただしく一年を終えてしまう——。そんな経験をお持ちの方も少なくないと思います。
今回は、年末に向けた焦りを感じていた経営者様が、秋のうちに小さな整理を始めたことで、気持ちにも仕事にもゆとりを取り戻したご相談事例をご紹介します。
「年末のことを考えるだけで、少し疲れる」というご相談
ご相談くださったのは50代の経営者様です。
業績はおおむね安定しているものの、年末が近づくにつれて、さまざまな仕事が一気に頭へ浮かんでくるといいます。
年内に終えたい案件。賞与や人事に関する判断。取引先への対応。忘年会や年末年始の営業体制。そして、来年は新しい取り組みも始めたいという思い。
「毎年、年末になると目の前のことをこなすだけで終わってしまいます」
「本当は社員にもっと良い形で一年を締めくくってもらいたいのですが、気持ちに余裕がなくて」
このお話を伺い、まずお伝えしたのは、今すぐ完璧な年末計画を立てなくてもよい、ということです。
大切なのは、秋のうちに“やること”を増やすのではなく、「年内に本当に大切なことは何か」を見極めることです。
年末に向けて、まず整理したい3つのこと
1.年内に「必ず終えること」を3つに絞る
経営者の頭の中には、常に多くの課題があります。しかし、すべてを同じ重要度で抱えると、判断が重くなり、かえって動きにくくなります。
そこで、この方には「年内に必ず終えること」を3つだけ書き出していただきました。
たとえば、
- 主要顧客への年末のご挨拶と、来期に向けた意見交換
- 社員一人ひとりの役割や、来年期待したいことの確認
- 資金・売上・経費の状況を見ながら、来年の投資余力を把握すること
何を選ぶかは、会社によって異なります。ただし、「できたらやりたいこと」ではなく、「これだけは整えて新年を迎えたいこと」を選ぶのがポイントです。
3つに絞ると、優先順位が明確になり、周囲にも伝えやすくなります。
2.経営者が抱え込んでいる仕事を見直す
年末に忙しさが増す原因の一つは、経営者自身に確認や判断が集中することです。
もちろん、最終判断が必要な仕事はあります。しかし、「自分しかできない」と思っている仕事の中には、基準を共有すれば任せられるものもあります。
今回の経営者様も、細かな確認や、社員からの日常的な相談をすべて受け止めていました。
そこで、「今月中に任せられることを一つ選ぶ」ことから始めていただきました。任せる相手に丸投げするのではなく、目的・判断基準・報告のタイミングを明確にして共有します。
すると社員側も、何を優先すればよいかが分かりやすくなり、経営者様は、本来注力すべき対外的な関係づくりや中長期の判断に時間を使えるようになりました。
3.来年の計画は「方向」だけ決めておく
来年の事業計画を、今の時点で細部まで決める必要はありません。
むしろ秋の段階では、「来年、何を伸ばしたいか」「何を整えたいか」「何を手放したいか」という方向性を言葉にしておくことが大切です。
この方の場合は、来年のテーマを次のように整理されました。
「売上を追うだけでなく、社員が自分で考えて動ける体制をつくる」
「既存のお客様との関係をさらに深める」
「経営者自身が、未来を考える時間を月に一度確保する」
計画は途中で見直して構いません。しかし、進む方向が決まっていれば、日々の判断に迷いにくくなります。
秋の整理は、心の余白もつくる
年末に向けた準備というと、数字やスケジュールの話になりがちです。もちろん、それらは大切です。
一方で、経営者の方が「少し気持ちが楽になった」と感じられることも、見過ごせない変化です。
すべてを終わらせようとするのではなく、優先順位を整え、任せられることを見つけ、来年の方向を確認する。この3つだけでも、年末の景色は変わってきます。
秋の穏やかな時期に、温かい飲み物を用意して、30分だけでも時間を取ってみてください。
「今年のうちに整えたいことは何か」
「来年、会社をどのような状態へ進めたいか」
「自分自身は、どのように働いていたいか」
その答えを完璧に出す必要はありません。少し書き出してみることが、年末に慌てず、新しい年を気持ちよく迎える準備になります。
よくあるご質問
Q1.年末の計画は、いつ頃から始めるのがよいですか?
A.10月から11月にかけて、まず優先順位を整理するのがおすすめです。12月に入ると、予定外の対応や挨拶回りなどが増えやすいため、「何を終えればよいか」を先に決めておくと安心です。
Q2.社員に任せたいのですが、期待どおりに進むか不安です。
A.任せる際には、目的・期限・判断基準をセットで伝えることが大切です。最初から完璧を求めるよりも、小さな仕事から任せ、途中で確認する機会をつくると、双方にとって進めやすくなります。
Q3.来年の方向性がまだ曖昧でも、相談できますか?
A.もちろんです。方向性が決まっていない段階だからこそ、現状の強みや課題、経営者様ご自身の想いを整理することで、納得感のある次の一手が見えやすくなります。
年末を「ただ忙しかった」で終わらせないために
経営の課題は、数字、人材、取引先、将来への不安など、いくつもの要素が重なり合っています。だからこそ、一人で抱え込む前に、状況を整理し、進む方向を確認する時間が大切です。
経営未来設計セッションでは、現在の経営課題を丁寧に整理しながら、年末に向けて整えること、来年に向けて準備することを一緒に考えていきます。
小牧市・名古屋周辺では対面セッションに対応し、全国の皆様にはオンラインでご相談を承っています。年内に一度、経営の棚卸しをしておきたい方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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