月曜ブログは、40~50代の経営者層向けの相談事例を中心に、実際の経営判断や人材活用、事業の方向性を考えるうえで、ご自身のビジネスの一助となる視点をお届けします。
今回は少し若い世代、法人化を検討されている30代男性経営者からいただいたご相談事例をご紹介します。
ご相談のテーマは、事業の立ち上げ当初から一緒に取り組んできたスタッフを、法人化に伴って幹部に登用する際の「役割と配属」についてでした。
「これまで支えてくれた3人を幹部として迎えたい。ただ、全員を同じような立場にするのではなく、それぞれの才能や強みを活かせる役割を任せたい」
事業が成長し、組織としての形を整えていく段階では、こうした悩みが生まれます。
創業期は、メンバー全員が複数の仕事を担い、その時々で必要なことに対応するケースが少なくありません。しかし法人化し、スタッフや取引先が増えてくると、「誰が何を担うのか」「どこまで決定できるのか」を明確にする必要が出てきます。
そこで今回は、3人の幹部候補の方を一人ずつ鑑定し、それぞれの資質や得意分野、組織の中で力を発揮しやすい役割について整理しました。
※ご本人および関係者のプライバシーに配慮し、事例の一部を一般化してご紹介しています。
優秀な人が、どの役割でも活躍できるとは限らない
仕事に真面目で責任感があり、能力の高い人であっても、すべての役割に同じように向いているとは限りません。
たとえば、初対面の相手とも自然に会話ができ、相手の要望を察することに長けている人は、営業や接客、顧客フォローの場面で大きな力を発揮します。
ところが、そのような人を人手不足だからという理由だけで事務作業に専念させてしまうと、本来の強みを十分に活かせない可能性があります。
一方、表に出ることは得意でなくても、数字や手順を丁寧に確認し、仕事の抜けや漏れを防ぐことに長けた人もいます。その人を無理に新規営業の最前線へ配置するより、管理や業務設計、品質維持を任せたほうが、組織全体が安定することがあります。
人材配置で重要なのは、目立つ能力だけを見ることではありません。
「何を任せると、その人が自然に力を発揮できるのか」
「どのような環境では負担やストレスが増えやすいのか」
「本人の強みが、会社のどの課題を解決するのか」
こうした視点から、役割を具体化していくことが大切です。
組織には「攻め」と「守り」の両方が必要
戦国時代の組織にも、前線で道を切り開く役割と、内部を固めて陣営を守る役割がありました。これは現代の企業経営にも通じます。
新規顧客を開拓し、外部との関係を広げていく「攻め」に適した人。
社内の仕組みを整え、数字や品質を管理する「守り」に適した人。
現場のスタッフに寄り添い、新人や部下を育てることに長けた人。
経営者の意図を理解し、各部門の間を調整することが得意な人。
どの役割も、組織の成長には欠かせません。
今回の鑑定でも、単純に「誰が最も優れているか」を比べたのではなく、3人それぞれについて、営業・接客、内部管理、人材育成、調整役といった観点から資質を読み解きました。
ご相談者には、
「この方には、こういう側面もありませんか」
「このような仕事を任せると、持ち味が出やすいと思います」
「新人や部下を育てる役割は、この方の強みが活きそうです」
と、実際の働き方と照らし合わせながらお伝えしました。
すると、これまで何となく感じていた3人の違いが整理され、今後の役割分担を具体的に考えやすくなったとのことでした。
経営者本人との「ビジネス上の相性」も確認する
幹部の資質だけでなく、トップに立つ経営者ご本人との関係性も重要です。
ここでいう相性は、単に「気が合う」「仲が良い」ということではありません。
意思決定の速さ、報告の仕方、仕事を任せる範囲、意見が異なったときの反応など、ビジネスを進めるうえでの関係性です。
たとえば、経営者が直感的に素早く判断するタイプで、幹部が慎重に情報を集めてから動くタイプの場合、互いの違いを理解していないと、経営者は「動きが遅い」と感じ、幹部は「説明が足りない」と感じるかもしれません。
しかし、経営者が方向性を示し、幹部がリスクや実務上の課題を確認するという役割分担ができれば、その違いは組織の強みになります。
相性を見る目的は、合う・合わないを決めることではありません。
違いがあることを前提に、どのような伝え方や役割分担をすれば、組織がスムーズに動くのかを考えるためのものです。
鑑定結果だけで人事を決めないことも大切
資質や相性の鑑定は、本人や経営者がまだ言葉にできていない特徴を整理するための一つの材料です。
実際の配属や役職は、鑑定結果だけで決めるのではなく、これまでの実績、本人の希望、現場からの評価、会社の事業計画などと合わせて判断する必要があります。
今回も、鑑定から見えた資質をお伝えしたうえで、次のような進め方をご提案しました。
- 幹部一人ひとりの役割と責任範囲を言葉にする
- 営業、管理、人材育成などの主担当を明確にする
- 最初から役割を固定せず、一定期間試して検証する
- 定期的な面談で、本人の手応えや負担を確認する
- 経営者への報告方法と意思決定の範囲を決める
創業時からの仲間は、互いをよく知っているからこそ、「言わなくても分かる」という関係になりがちです。
しかし法人化後は、信頼関係に加えて、役割、権限、責任を明確にすることが必要です。それが、創業メンバーとの関係を長く健全に保つことにもつながります。
「チームビルディングが楽しみになりました」
セッション後、ご相談者からは、
「3人の違いと活かし方が見えて、これからのチームビルディングが楽しみになりました」
というお言葉をいただきました。
人材配置を考えるとき、足りない部分や問題点ばかりに意識が向くと、経営者にとっても幹部候補にとっても、組織づくりが重い課題になってしまいます。
一方で、一人ひとりの資質や得意分野に目を向けると、「この人には何ができるだろう」という前向きな発想が生まれます。
法人化は、登記や制度を整えるだけではありません。
創業者一人の力で進めてきた事業を、役割を持ったチームによって成長させていく転換点でもあります。
誰を幹部にするかだけでなく、「その人に何を任せるのか」「経営者とどのように連携するのか」まで考えることが、法人化後の安定した組織運営につながります。
よくあるご質問
Q1.生年月日や鑑定結果だけで、役職や配属を決めるのでしょうか?
いいえ。鑑定は、人材配置を考えるための一つの判断材料です。実績、経験、本人の希望、現場での評価、会社の今後の事業計画などと合わせて、総合的に検討することをおすすめしています。
Q2.幹部候補本人がセッションに参加しなくても相談できますか?
まずは経営者の方だけでご相談いただくことも可能です。現在の業務内容や人間関係、経営者が感じている長所や課題を伺いながら整理します。必要に応じて、後日ご本人を交えた面談や役割確認を行う方法もあります。
Q3.すでに役職を決めた後でも相談できますか?
はい。配属後に連携がうまくいかない、報告や意思決定に行き違いがある、本人が力を発揮できていないと感じる場合にも、役割や関係性を見直すことができます。役職名を変えなくても、担当範囲や連携方法を調整することで改善する場合があります。
法人化・幹部登用・人材配置でお悩みの経営者の方へ
経営未来設計セッションでは、経営者ご本人の判断軸を整理するとともに、幹部候補やスタッフの資質、役割分担、ビジネス上の相性などを確認し、組織づくりに活かせる形でお伝えします。
法人化を控えている方、創業メンバーを幹部に登用したい方、部署や担当を見直したい方、後継者や次世代リーダーを育てたい方にもご利用いただけます。
鑑定によって人事を断定するのではなく、経営者が納得できる意思決定を行うための材料として、実際の事業状況と照らし合わせながら整理いたします。
小牧市および名古屋周辺では対面セッションに対応しています。全国からオンラインでもご相談いただけます。
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